「石油小屋」
前々より、ちょいと気にはなっていたのだが、まさか一歳にも満たない子が妊娠するなどとは思わなかった。
何となくお腹が大きいなと毎日は見ていたのだが、乳房も大きく張り出して来た事で確定ランプが点灯した。
勿論人間の話ではない。店の裏の唯一の女の子ネコ、クマの事である。まだ9ヶ月と言えば人間に換算すると13歳であるから
して、オマセさんにも程がある。大方は兄弟うちで出来てしまったのだろうが、倫理観の欠如たるや甚だしい。

しかしそんなノンキな事を言っている場合ではない!このおませなクマも触らせてくれないネコなので避妊にも連れて行けず
こんな事になってしまった。このクマたちの母親サビも触れなかったので避妊させる事が出来ず、せめて子どもたちは小さな
うちから人に馴らそうとお産小屋を作るべく奮闘したのだが、すでに遅くクマたちを何処かで生んで連れて来る結果となった。
避妊や去勢が是か非かと言う問題は人間のご都合の問題でこのネコたちの問題ではない。しかし、それを別としても病気に
なったりケガをした時など救う手段の一つとして、触れる方が有利な事は確実である。
さあ!前回の失敗を繰り返さぬよう、大急ぎでお産小屋を作らねば~
次に生まれ変われるとしたら、宮大工かパプリックデザイナーになりたいと思う家元の大工道具は半端ではない。
コーナンプロのお得意さんでもある家元は大抵の事は自分でやってしまう。それは人様にお金を払い頼んでも、思った様には
行ったためしがないからだ。だが、よくよく考えれば、親の教育にも所以する所があるのかも知れない。
我家の父方の筋は、帝国海軍の少将であった祖父を筆頭に海軍一家、生粋の職業軍人の家系である。
軍人たるもの武士侍と同じく、武芸百般に精通しなければならず戦場においては一人でも生き残り戦わなくてはならない。
そのため、大工仕事はおろか電気設備の補修、炊事洗濯、裁縫、果てはアイロン掛けまで子供の時から父と一緒にやらされた
経験がある。やれと言われば何でもこなす~ただ、あまりヤル気にならないだけだ。
話は脱線したが、取りあえず雨をしのぎ安全で風通しの良い薄暗い場所を設定しお産小屋を作ってやらねば
店にある廃材を利用して、まずは土台作り、裏のテラスの下に置いてやろうと思うので湿気ないよう床を上げ、こんな感じ~

そして中に産箱を入れて屋根を付ける作戦だ。
箱はと言うと、毎日伊勢志摩からクロネコさんが運んでくる発泡スチロールの空箱。爪を立ててスチロール箱がボロボロに
ならないようにアルミのシートでコーティングする。

しかしここで少し疑問が・・・ネコて光るもんが嫌いやったような・・・よくネコ除けにペットボトルに水を入れているのは
キラキラ光るものが嫌いな習性を利用してるとか聞いたような見たような~
え~い!強引に先へ進む! 出入り口をスチロールカッターで開け、通風の良いように加工し、先ほどの台に仮置きして見る。

ここでまた疑問が?別にわざわざ屋根作らんでも、発泡スチロールの蓋でえぇのんちゃぁう?楽する事は即座に実行。
更に蒸れないように通風口を増設し、毛布を入れてやる。

完成~~~

そして、テラスの下にセットしたのではあるが、サビの前例もあり不安いっぱいである。入っているのかいないのかも
テラスの下では見難い。そこで観察用のフレキシブルミラーを用意して毎日確認してみる事にする。決してスカートの中を
覗く様な事に使用してはいけませんよ!!

それにしても・・・チャ~て気ぃよう寝てる場合と違うと思うよ・・・疑わしきお父さん~

オマケ~クマのアップ!
どう見ても南のぼうずバーのマスターに似てるねんけど…マスターの子?そう言えばマスターも妊娠やったんか?!
あのお腹は・・・
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